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診療について

せん妄の治療

高齢者の場合、せん妄はその異常な言動から、時に認知症と誤診されてしまうことがあります。せん妄は認知症よりも短期間で回復することがあるので、認知症との鑑別は重要です。しかし、認知症の人がせん妄を合併することは珍しいことではなく、その場合、周囲からは「急激に認知症の症状が進行した」ように見えることがあり、またこの場合、せん妄が改善すると周囲からは「認知症の症状が改善した」ように見えることがあります。

せん妄の症状

  • 表情は乏しくなり、態度や感情の動きは活発さに欠けて、ぼんやりしてくることが多い。
  • 現在の日付や時刻がわからなくなる(とくに時間経過がわからなくなることが多い)。
  • ある程度の長い会話の中で、ちぐはぐなところや、まとまりの悪いところがある。
  • 記憶力、計算力、判断力などの知的能力が低下する(これらは回復する可能性があり、認知症とは異なる)。

上記の症状は短時間の間に悪くなったり良くなったり変動しやすい傾向にあります。やや急性に発症することが多く、また発症時は本人の病識や自覚はないことが多いです。回復した後には、その間の記憶を失っていたり、その間の記憶が不正確であることが多くみられます。

日中眠ってしまい夜間眠れないことが多く、とくに夜間は実在しない者(物)が見えたり(幻視)、 ちぐはぐで、まとまりのない言動や徘徊がひどくなります。

せん妄の治療

せん妄は高齢者においてはよく見られる病状でありますが、現在「確実に治せる治療法(確立した治療法)」はありません。しかし、まったく治療が出来ないわけではありません。以下のような対応を行うと「せん妄」の症状は軽くなったり、改善したりすることも多いのです。

1.ベースにある身体疾患の治療を行い、またせん妄を助長する因子を改善する。
高齢者においては発熱や下痢などから脱水になりせん妄になることがあります。ですから、発熱や下痢の原因となった疾患の治療を行います。

2.誘因となった薬剤を中止する。
高齢者や認知症の人は不眠症が出現することが珍しくありません。しかし、一般的な睡眠薬がせん妄の誘因となったりすることもあります。また、内科などから処方された薬剤でもせん妄が誘因される場合もあります。したがって、もしもこれらの薬剤を「中止することが出来る」のであれば、 中止することでせん妄が改善することもあります。ただし、「治療上どうしても中止できな い薬剤」もありますので、実際は内科医などとも連絡を密にし、詳細に検討していかなければなりません。

3.睡眠・覚醒リズムを改善させる。
せん妄では、夕方から夜間に好発し、日中には消退するという睡眠・覚醒リズムの障害が現れます。したがって、ある種の精神安定薬などにより睡眠・覚醒リズムの障害を是正すると、せん妄の症状も改善されることが多いのです。

4.環境を整える。
臨床経験上、聴覚や視覚や触覚における適度な刺激が良いとされ、日中、ラジオを聞かせる、メガネや補聴器を装着している人であれば、それらを装着させる、またアナログ時計やカレンダーをそばに置く、などもせん妄の症状を軽減させる可能性があります。

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